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「沈黙-サイレンス‐」スコセッシ監督

お知らせ

2017年02月18日

見に行ってきました。自分でお金を払って映画を見るのは久しぶりです。
まばらな観客。9人でした。
この前見た「天使と悪魔」は5人だったので、それよりは多い。

映画「沈黙」は面白かった。
2時間41分が長くなかった。
お尻も痛くなりませんでした。

普通原作のある映画を見ると、「原作の方が良かった」と思うのですが
これは原作と同じくらい良かった。
隠れキリシタンが3人。海辺で十字架にかけられて処刑される場面は、やはり映像で見ると迫力があります。
情熱に燃える宣教師が日本にやってきて知る現実。
うちのめされながらも誠実に精一杯生きていく姿は見ていて清々しい。
キリスト教徒でない私(いえ私たち日本人?)は
キリストは沈黙しているものだと思っているので
ロドリゴほどに「何故?」とは思いません。
ロドリゴは最後に
「キリストは沈黙しているのではなく
ともに苦しんでいるのだ」
と信じることで救われたのだろうと思います。

窪塚洋介のキチジローは迫力があって良かったです。
先に一人で「沈黙」を見た(けしからん!)友人は
「褒めすぎかもしれないけど
『7人の侍』の三船敏郎みたいだった」
と言っていました。
キチジローも今のように一応「信教の自由」が保障されている時代であれば、楽しくキリスト教徒として生きて行けたでしょう。
昔読んだ時「弱くて卑怯なキチジローは私だ」と思ったのですが
今は、たいがいの人間はキチジローじゃないのか?
それどころか
キチジローのキリスト教に対する執着は、
いいかげんな私の生活よりましなんじゃないかと
自分の生活を反省いたしました^_^

フェレイラ神父の言葉(多分)
「この国には一神教は馴染まない。
日本人はただ一人の創造主という観念をもてない」
そのとおりでしょうね。
貧しい百姓たちは、
働きづめで飢死しそうな毎日が苦しいので
神の優しさ(つまり宣教師の説く神の慈悲)に触れて信じるようになったけれども、
デウス・ハライソ・インヘルノ……
どこかキリスト教とは違うものを信仰していたように見えます。

ロドリゴは棄教したあと、幕府に仕え
病死して、仏式に葬られます。
棺の中でひっそりと抱えていたキリスト像を見て
私は
ああ、スコセッシ監督はキリスト教徒なんだなぁ
と改めて思いました。

スコセッシ監督は、「沈黙」の中で
宣教師たちだけが正しいのではなく
キリシタンを弾圧した日本の為政者だけが間違っているわけではない
と、彼なりの考えを示しているように思えます。

また、この先、別の映画で後のキリスト教について
彼の思うところを見せてくれるでしょうか?

 

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