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R1経営発達支援事業「1. 地域経済動向調査」レポート

1. 地域経済動向調査平成28年7月~令和3年3月(第1期)経営発達支援計画

2020年01月28日

 平成287月、当広島安佐商工会は中小企業庁が公募する「経営発達支援計画」の認定を受けました。これは、地域経済団体としての商工会が、今まで以上に地域経済のプラスとなるような取り組みを行っていくための行動計画です。

その一事業として、令和元年年における当会エリア(高陽を除く安佐北区および八木・緑井・川内)内の住民データや消費動向といった基礎データをまとめましたので公開します。

次年度以降も同様の調査を行って、情報を公開いたします。地域の事業者様の事業に役立てば幸いです。

【地区区分】可部地区、佐東地区、安佐地区の3区分

「可部地区」:可部・亀山・三入・大林・可部町

「安佐地区」:安佐町・あさひが丘

「佐東地区」:川内・八木・緑井・八木町・緑井町

【広島安佐商工会 管轄内地域の基本情報まとめ】

<産業全体>

○産業全体の状況については、前期と比較して今期は『売上高』『採算』『資金繰り』『業況』の全ての調査項目でDI 値(「増加(好転)」から「減少(悪化)」引いた値)がマイナスの値となった。また、全国調査(小規模企業景況動向調
査)と比較(「売上高」「資金繰り」「業界の業況」」すると、「売上高」「資金繰り」については全国値よりそれぞれ0.6ポイント、0.4ポイント高い値となったものの、DI値としては、当会の調査値も全国での調査値もマイナスとなっており、大変厳しい状況となっている。
調査期間中の令和元年10月(2019年10月)には消費税が10%となり、小規模事業者をとりまく経営環境はより厳しさを増している。

<製造業>

○製造業の今期の状況は、『客数』のみ「増加(好転)」「減少(悪化)」が同数となっており、それ以外の項目「売上高」「景況感」「資金繰り」「取引先の景況」「業界の業況」はすべてマイナスとなって
おり、特に「業界の業況」は全国調査値「▲25.2」に対し「▲52.9」と「減少(悪化)」となっており厳しい状況が見受けられる。

<建設業>

〇今期の状況は「売上高」「景況感」「客数」「資金繰り」「取引先の景況」「業界の業況」すべて
マイナス
となっており、全国調査値と比較しても「売上高」 全国調査値「▲6.1」に対し
「▲25.0」、「資金繰り」全国調査値「▲13.0」に対し「▲20.0」、「業界の業況」全国調査値「▲9.6」に対し「▲25.0」と、全国調査と比較しても厳しい状況となっている。
<小売業>

〇今期の状況は「売上高」「景況感」「客数」「資金繰り」「取引先の景況」「業界の業況」すべて
マイナス
となっており、全国調査値と比較しても「売上高」 全国調査値「▲34.7」に対し
「▲44.0」、「資金繰り」全国調査値「▲23.2」に対し「▲48.0」、「業界の業況」全国調査値「▲35.4」
に対し「▲58.3」と、建設業と同様厳しい状況がみられる。特に「資金繰り」「業界の業況」に
ついては全国調査値と比較しても大きく差があり、当会地域においては全国より厳しい状況と
なっている。

<サービス業>
〇今期の状況は「売上高」「景況感」「客数」「資金繰り」「取引先の景況」「業界の業況」すべて
マイナス
となっており、全国調査値との比較では「業界の業況」が全国調査値「▲21.0」に対
し「▲46.4」と大きく差がある。「売上高」については全国調査値「▲24.4」に対し「▲14.3」
「資金繰り」については全国調査値「▲14.4」に対し「▲7.1」となっている。

【広島県全体の基本情報まとめ】

○ 人口は、平成21年~31年(R1)までの10年間で

●可部地区:603人減少(-1.1%)
●佐東地区:144人増加(0.3%)
●安佐地区:3,155人減少(-12.6%)

●3地区全体では:3,155人減少(-2.6%)
【広島市 住民基本台帳(H21年9月,R1年9月)より】

○ 世帯数は、平成21年~31年までの10年間で

●可部地区:1,950世帯増加(8.1%)
●佐東地区:1,081世帯増加(6.2%)
●安佐地区:67世帯減少  (-0.8%)

●3地区全体では:3,150世帯増加(6.3%)
【広島市 住民基本台帳(H21年9月,H31(R1)年9月)より】

この10年間で、可部・安佐の両地区、また管内エリア全体で見ても人口がかなり減少していますが、世帯数は逆に増加しています。

このことは、1世帯当たりの構成人数が減り、一人暮らし・二人暮らしといった少人数世帯が増えていることを示しています。

少人数世帯に適したニーズをとらえたお店・会社が増えれば、地域経済の活性化につながるのではないでしょうか。

また、少子化によって人口は減り続けている、一方で共働き世帯の増加などの社会環境の変化によっても、新たなニーズや成長ビジネスが生まれています。

〇子育て市場によるニーズの創出(例:家事代行サービス)

〇買物弱者に対する新たな取り組み(例:訪問ヘアーカット)

〇高齢者に配慮した店舗作り(例:段差解消)

 

○将来人口(2050年)について
【国土交通省 「メッシュ別将来人口推計」、「国土数値情報」より】

当会エリアの将来人口について、可部地区は安佐北区役所、安佐地区は安佐北区役所安佐出張所、佐東地区は安佐南区役所佐東出張所の周辺部1Kmの人口推移から以下のような状況が確認できます。

〇可部地区は2010年 11,490人から2050年 7,916人となっており3,574人の減少となっております。

〇安佐地区は2010年 881人から2050年 501人となっており380人の減少となっております。

○佐東地区は2010年 15,959人から2050年 18,330人となっており2,371人の増加となっております。

○以上の状況から佐東地区以外の人口の減少幅が大きくなっており、他地域と同様人口減少社会への対応策について検討が必要と考えられます。

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