まちの会員さんご紹介 – ユーメン醤油株式会社
2015年10月01日
今回は、明治元年創業の醤油蔵「ユーメン醤油」さんを訪問させていただきました。
太田川べりの道を上流へ向かって北上すると、市街地の景色はみるみる遠のき、あたりは緑に包まれた山間部の景色に移り変わっていきます。
やがて漂ってくる醤油の香りとともに「搾りたてしょうゆ」の看板が見えてくると、そこにユーメン醤油株式会社さんの醤油蔵と店舗があります。
なぜ、こんな郊外に?
それは、水へのこだわりから。
140年前の創業時、仕込み水(原料と共に発酵させる水)として使う良質な地下水を求めて山を何度も掘り直し、やっと見つけた湧き水を、今でも水質検査しながら使っています。
中国山地と太田川が育んだ、質量ともに豊かな水脈です。
140年前と変わらぬ製法
自慢の天然醤油「醤魂(しょうこん)」は、杉の木桶で熟成させて諸味(もろみ)を作るという創業当時から変わらぬ製法で作られています。
蔵や木桶には、その蔵固有の酵母菌が棲みつきます。
この酵母菌は、蔵ごとの独自の旨味を産む源泉であり、ふた夏かける熟成工程もできあがった醤油もすべて生き物なのだ、という考えが、ユーメン醤油さんのこだわりの原点です。
五代目・宥免(ゆうめん)国博さん
こうしてできた搾りたての醤油は香りも旨味も最高の状態。
それらは長期間放置すると損なわれてしまうので、「使い切れる量だけ買ってほしい」。「はかり売り」という売り方もそのためのものです。
※写真はイメージです。
将来のファンを育てる
一般消費者向けの醤油販売は現在、低価格な大量生産品が主流となっています。
それらは、醤油の元となる「生醤油」を外部工場で一括生産してコストを抑え、調理の簡便化ニーズに応えてだしや添加物で味を整えた、これはこれで優れた製品です。
ユーメン醤油さんでもそうした製品を作って一般向け販売していますが、やっぱり職人としては味の違いがしっかり分かるお客さんに味わってほしい!
その想いから現在は、料理店への納入に力を入れています。
食材の味を邪魔しない名脇役としての醤油を、良質な食材と共にお客さんに味わってもらい将来のファンを育てる。
料理店を当面の販売先としながらも5年10年先を見据える、長寿企業ならではの王道的発想と言えそうです。
※写真はイメージです。
安佐乃郷しょうゆ蔵 ユーメン醤油株式会社広島市安佐北区安佐町筒瀬269
電話:082―838―1011 |