H30経営発達支援事業「1. 地域経済動向調査」レポート
1. 地域経済動向調査平成28年7月~令和3年3月(第1期)経営発達支援計画
2019年04月23日
平成28年7月、当広島安佐商工会は中小企業庁が公募する「経営発達支援計画」の認定を受けました。これは、地域経済団体としての商工会が、今まで以上に地域経済のプラスとなるような取り組みを行っていくための行動計画です。
その一事業として、平成30年における当会エリア(高陽を除く安佐北区および八木・緑井・川内)内の住民データや消費動向といった基礎データをまとめましたので公開します。
次年度以降も同様の調査を行って、情報を公開いたします。地域の事業者様の事業に役立てば幸いです。
「可部地区」:可部・亀山・三入・大林・可部町
「安佐地区」:安佐町・あさひが丘
「佐東地区」:川内・八木・緑井・八木町・緑井町
【広島安佐商工会 管轄内地域の基本情報まとめ】
<産業全体>
○産業全体の状況については、前期と比較して今期は『売上高』『採算』『資金繰り』『業況』の全ての調査項目でDI 値(「増加(好転)」から「減少(悪化)」引いた値)がマイナスの値となった。また、全国調査(小規模企業景況動向調査)と比較すると、全ての項目で全国調査の結果よりDI値が低い値となった。
○業況(自由記述)に関するコメントは、「好転」より「悪化」に関するコメントが多く占めていた。どの業種についても昨年と同様人材不足に関する「悪化」に関するコメントが目立った。
<製造業>
○製造業の今期の状況は、今期は『資金繰り』で「増加(好転)」が「減少(悪化)」を上回った。
○業況(自由記述)に関しては、「景気全体の好調」等の「好転」に関するコメントがあった。一方で「労働力不足」「大手との価格競争」「海外勢との競争」などの課題コメントもあった。
<建設業>
○建設業の今期の状況は、今期は『売上高』で「増加(好転)」が「減少(悪化)」を上回った。『業況』では「増加(好転)」が「減少(悪化)」を下回った。
○業況(自由記述)に関しては、「仕事の量はある」と売上高が好調の要因になるコメントがある一方、「労働力不足、若手人材不足」といったコメントがあり、建設需要に対して建設従事者の不足する現状に対するコメントが多くみられた。
<小売業>
○小売業の今期の状況は、今期は全ての項目で「増加(好転)」が「減少(悪化)」を下回り、他の業種に比べて厳しい状況がうかがえる。
○業況(自由記述)に関しては、季節商品等の売上増といった「好転」に関するコメントがある一方、「大型店舗やコンビニの出店」「ネット通販の普及」といった小規模小売店舗に対する厳しい環境が続いていることに対する「悪化」に関するコメントが多く見られた。
<サービス業>
○サービス業の今期の状況は、全ての項目で「増加(好転)」が「減少(悪化)」を下回った。
○業況(自由記述)に関しては、「人手不足」「価格競争」による「悪化」に関するコメント、その他同業他社の乱立による営業環境の厳しさに関するコメントもあった。
【広島県全体の基本情報まとめ】
●可部地区:962人減少(-1.7%)
●佐東地区:96人増加(0.2%)
●安佐地区:3,115人減少(-14.2%)
●3地区全体では:3,981人減少(-3.2%)
【広島市 住民基本台帳(H20年9月,H30年9月)より】
○ 世帯数は、平成20年~30年までの10年間で
●可部地区:1,947世帯増加(8.2%)
●佐東地区:1,181世帯増加(6.9%)
●安佐地区:22世帯増加 (0.3%)
●3地区全体では:3,150世帯増加(6.3%)
【広島市 住民基本台帳(H20年9月,H30年9月)より】
このことは、1世帯当たりの構成人数が減り、一人暮らし・二人暮らしといった少人数世帯が増えていることを示しています。
少人数世帯に適したニーズをとらえたお店・会社が増えれば、地域経済の活性化につながるのではないでしょうか。
また、少子化によって人口は減り続けている、一方で共働き世帯の増加などの社会環境の変化によっても、新たなニーズや成長ビジネスが生まれています。
〇子育て市場によるニーズの創出(例:家事代行サービス)
〇買物弱者に対する新たな取り組み(例:訪問ヘアーカット)
〇高齢者に配慮した店舗作り(例:段差解消)
【国土交通省 「メッシュ別将来人口推計」、「国土数値情報」より】
〇可部地区は2010年 11,490人から2050年 7,916人となっており3,574人の減少となっております。
〇安佐地区は2010年 881人から2050年 501人となっており380人の減少となっております。
○佐東地区は2010年 15,959人から2050年 18,330人となっており2,371人の増加となっております。
○以上の状況から佐東地区以外の人口の減少幅が大きくなっており、他地域と同様人口減少社会への対応策について検討が必要と考えられます。